日々のあはい

貧乏人、本を読んで暮らす

寒暖差に揺らぐ日々 / 今週の支出 / 10月の本と映画まとめ

11月5日(日) 

朝:木綿豆腐の塩パン粉焼き、黒ゴマ納豆、わかめのお味噌汁
昼:さつまいもごはんのおにぎり、無印のミニラーメン野菜炒めのせ

アレクサいわく「予想最低気温は6度、最高気温は21度です」、この落差でも動じない鋼の自律神経であればいいが、実際はそよ風にもぐらぐら揺れる糸くらいの強度である。起き抜けにすでに胸が重く、渋面で日課の運動。渋面だろうと素麵だろうとストレッチをする気力があるだけ成長してはいるはずだ。上半身の凝りをほぐして朝ごはんをゆっくり食べると、重い身体が幾分、軽くなったのを感じる。3連勤(連休ではない)最終日の朝である。

出勤、そして労働。面倒な仕事が(たぶん)無事にすべて終了したので、ひたすら通常業務に励んだ。働かずに生きていけるならその方がいいが、働かなくてはいけないのならこの仕事がいい、そう思えるのはきっと幸せなことなのだろう。

休憩時間に『四人の署名 【新訳版】 シャーロック・ホームズ・シリーズ (創元推理文庫)』を読了した。冒険譚の味わいだ。1作目『緋色の研究 』よりホムワト主人公コンビの人柄に触れる描写が多く、嬉し楽し。3作目『シャーロック・ホームズの冒険 』までは買ってあるので、次はいつ読もうかと悩むのもまた楽し。

夜:さつまいも・蓮根・鶏もも肉の煮物、もやしのナムル、梅干しごはん

10月28日~11月5日の変動支出(クレジット)

  • 食事 7,984円
  • 日用雑貨 1,478円
  • 衣類・美容 2,293円
  • 娯楽 5,890円
  • 特別支出 2,769円

11月1週目の支出を振り返ってみる。無印のお菓子を多めに買ったのと無洗米を5kg買ったのが響いて、食料品の出費がやや多め。米は仕方がない。無印も美味しいから仕方がない。娯楽費にはカフェ代と食器代が入っている。新しいカップやお皿が食器棚に並んでいると嬉しくなるし食事が楽しい。特別支出というのは実家の両親のために使ったものである。冬に重宝しそうなあったかい生地のソックスを買ってみた。今月末にまた会いに行くので、そのとき渡そうと思う。

今年の家計簿〆まであと少し、目標達成までもうちょっと。のんびりとやっていく。

10月に読んだ本たち 

1冊目、小林和彦の『呪いと日本人(角川ソフィア文庫)』

ブックオフから優待券をいただいたので、それを使って購入。大分前に読了済みの『日本の呪い~「闇の心性」が生み出す文化とは~ (光文社知恵の森文庫)』を加筆修正をしたものとのことだったが、一度読んだきりだったのでほとんど新しい本を読むように楽しんだ。現代人は「呪い」を行うことはなくなったが、それは誰かや何かを呪いたくなるような気持ちがなくなったことを意味するのではない。昔のような儀礼も演劇もない今、憤懣や怨念や嫉妬、心の中のしこりをどのように消化ないしは昇華させるか。日常会話に出てくるものではない「呪い」という言葉は、ともすれば昔の人や物語のもののように遠くに思えてしまうのだが、呪われる自分と呪う自分の、確かにここにあることを思い出させてくれる1冊だった。

2冊目、葉室麟の『秋月記 (角川文庫)』。

秋らしいタイトルと装丁に惹かれてこちらもブックオフで購入。結果、秋の話ではなかったが、秋の風景に心が飛んでいくような物語だった。「山は山であることに迷わぬ。雲は雲であることを疑わぬ。ひとだけが、おのれであることを迷い、疑う」。他者の思惑や環境の変化がどうであろうとも、「おのれであること」から逃げず、また「おのれであること」を楽しむ、そんな風に生きてゆけたなら。深く深く、見る者の心まで共に澄み渡るほどに深く澄んだ、清々しい秋の青空のような、そんな主人公とラストシーンが好きすぎる。

3冊目、藤沢周平の『夜消える (文春文庫)』。

同じくブックオフで購入。長篇葉室を読んだら短篇藤沢が読みたくなった(?)。江戸の裏店に生きる人々を描いた市井もの短篇集である。1篇30ページくらいの短さで、話の内容自体はささやかというか、山あり谷ありを楽しむようなものではない。それでも何気ない日常のさりげない光景が印象深く刻まれていく、このえげつない描写力。最初の3篇以外は全部好きだが、特に『踊る手』は繰り返し読むことになると思う。凄かった。

4冊目と言っていいのか、エドガー・アラン・ポーの『モルグ街の殺人事件 (青空文庫)』。

史上初の推理小説ときいて、いずれ読まねばなるまいとkindleであたためていたものを、なんとなく今。なるほど原型と頷くところもありつつ、真相でええっと驚かされ(あんまり好きなオチではないがそれはそれとして)、短かったが楽しめた。まあバディもの好きとしては、「名探偵と助手」という素晴らしい発明をありがとうの気持ちでいっぱいになってしまうよな。永久に感謝……。

10月に観た映画たち

シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム (字幕版)

地獄門

ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像(字幕版)

気が向いたら感想を追記したい(向かないかもしれない)。