日々のあはい

貧乏人、本を読んで暮らす

春待ちと超越と実存と道元おかわり

今週3日目のお休みかつ快晴でウキウキと浮足立つような1日だった。風がもっと弱くてあたたかだったら公園に行って読書をしたのに、そこはまだびゅうびゅうと冬の北風。早く春にならないかな。沁みるような冬の冷たさもたまにならいいものだが、まるく柔らかな春の空気は年中あってくれていい。空の色の変化を眺めながら、何時間でも歩きたい。

陽射しのうるわしい図書館にて、舟をこぎこぎしつつ読了。面白かった。すべては無常であるという釈迦の気付きからはじまった仏教の思想が、インド、中国、日本、それぞれの国それぞれの時代でどのように伝わり、混ざり合い、変わっていったのか、「無常」の変遷を辿っていく。面白くなってきやがったぜ、と思っていると次の章に進んでしまうもどかしい感じ、なんだかなーなどと思っていたら、あとがきに「(10年以上やっていた講義の)ダイジェストのそのまたダイジェスト」とあって、残念ながら納得。特に知識ゼロで読んだ中国仏教の章と、最終章の親鸞道元の話だけ300ページずつ盛って欲しかった。面白いからこそ食い足りなかった。

というわけで、おかわり。あんまり同じジャンルと作者に偏りたくないと思いつつ、結局手に取ってしまう。悩ましいような楽しいような。