日々のあはい

貧乏人、本を読んで暮らす

読書メモ(1‐1)

読み始めた。

たとえばここにある一本の筆の、形や用途や歴史を知っているだけではまだ筆を知り得たとは言えない。筆そのものの実体、本質、真理に迫るのであれば、わが身を筆とせねばらなない。筆として手に収まり、指に動かされ、筆先となって紙の上を走り回る。われが筆で筆がわれ、自も他もない「宇宙一心」。であれば、「筆の実性を徹見」することは「同時にまたわが本性を証悟す」ることになる、と。禅、実践的だなあ。

注釈なしの文語体はちときつく、理解が追い付かない部分もめちゃくちゃあるが、とても面白いのでがんばって読む。