日々のあはい

貧乏人、本を読んで暮らす

変な朝と芋ドーナツ / 読書メモ(4-3)

9月18日(月)

行きつけのカフェは土日祝日限定のモーニングが大人気である。開店時間の8時を目がけて行ったとしても、座れる確率は半々くらいだ。最近は運がよくすぐにトーストのセットにありつけていたのだが、この日は久しぶりに30分待ちを言い渡されてしまった。大好きなお店がみんなに好かれているのだから、何よりのことである。空きっ腹をなだめながら、また来ますと店を出た。蒸し暑い。さて、これからどうしようかと道端でしばし考える。ノープランで出てきたのはかなりまずかった。我が街は地方都市というやつではあるが、地方は地方なので8時台からオープンしている店など数えるほどしか存在しない。バスもそんなにホイホイとはやってこない。歩こうかとも考えたが、すでに背中が汗ばんでいる。最寄りのマクドナルドまで徒歩25分、根性が出そうで出ない。ぐぬぬ……となりながらバス停まで歩いたところで、なんとバスが来たではないか。勢いで乗ってしまってから、近場のコンビニで買い物をして図書館に向かうのが、いろいろちょうどよかったのではないか、と思い至った。図書館に背を向けて走り始めるバス。ままならない。他に行きたい店なども思いつかず結局、仕切り直すためにも一旦、帰宅することにした。

なにはともあれ腹ごしらえである。8枚切り130円のトーストにバターを塗って、納豆を乗せて焼いた。カフェのごはんとはまた別のうまさがある。コーヒーだってハンドドリップならちゃんと香ばしい。さて、今日はこれからどうするか、とダイニングの窓から曇天を眺めていると、いきなりバケツをひっくり返したような大雨が降り出した。そしてあっという間に止んでしまう。なんだかもう全部おかしいな、と思う。あれもこれも落ち着きのない休日の朝が過ぎていった。

午後は気持ちを切り替えて、買出しと、ついでにミスドへ行ってみた。ミスドは芋やらハロウィンやらですごく秋色。月見バーガーをまたしても食べに行き損ねてしまったが、「いもド」たちが美味しかったのでヨシ!である。秋の限定商品はどれも魅力的で財布にやさしくなくてウキウキだ。

いも&いも

思うように回らなかったときのネガティブ回避、気持ちの切り替え、仕切り直しのやり方が、ここ数年で上手くなった。計画通りにいかなかったら別の計画を立て直す。そこからまた頭と身体を動かしていく。どうやらそれが私には向いている。

読書メモ(4-3)

読了。

分かち合うことのけしてできない思いや、共有され得ない物語が彼ら彼女らにはある。そのことに気付く者がいたとしても、ただ気付く者がいた、というだけの話である。

解説によれば、著者の作品は「最後に急にどろりとしたものが現れる」。『満願』と『氷菓』しか知らないので2作品だけの話になってしまうのだけれども、この「どろり」は私には孤独であるように見えた。誰の中にもあるのに誰とも共にできない、恐ろしくて滑稽で悲しくて美しい、人の底の底の方に流れている「どろり」である。

とてもいい短篇集だった。