日々のあはい

貧乏人、本を読んで暮らす

やさしくなりたい / 読書メモ(4)

永遠に会話がド下手なのである。特定の誰さんやどんなタイプの人が苦手という話ではなく、人間と会話をするのがヘッタクソなのだ。人間が苦手。人間をやるのも苦手。それでも5年前よりはいっぱしの大人みたいな口が利けていると思うので、人の輪の中でそれらしい顔をしながら生活をすることには意味があるのだろう。まだ伸びしろがあるのなら生きる希望もある。今は(未だに!)言葉を発することだけでせいいっぱいになりがちだが、できるだけていねいでやさしい言葉を使えるようになりたい。おばあちゃんになる頃にはマシになっているといい。やるしかない。

読書メモ(4)

6篇の短篇集。ミステリである。4作目『万灯』まで読み終わった。それぞれのお話にそれぞれの余韻が残り続け、今もずっとひとつひとつを噛んでいる。いい本だなこれ。

氷菓』でも感じたことだが、見せたくなりそうなところを見せずにおくのがえらい上手い作家さんである。フォーカスがブレないというか、自制がきいているというか。主人公の彼ら彼女らがその後、誰と共に、どんな人生をどのように歩んだものか、読み手の想像に委ねられている。それがちょっとだけもどかしくて、とてもありがたい。