日々のあはい

貧乏人、本を読んで暮らす

節約生活

宵越しの銭を持ち越す生活

 少ない給料と少ない時間で生きている。そのため、節約に節約を重ねた上に更に節約を乗っけるような節約生活を送らざるを得ない。時給が激安なので、働けども働けども貧乏なのだ(「転職しなさいよ」という声が聞こえてきそうだが、まあ、いろいろあるのだ)。

 そういう人間にとって、節約とは人生の必須スキルである。その日その時を生き抜けさえすればOK、宵越しの銭は持たぬ、と割り切って生きる(同僚に近い考えの人がいる)のであれば話は別だが、先の10年20年、老後まで視野に入れるとなると、かなり計画的にお金や時間と向き合わなくてはならなくなる。面倒な話だ。面倒な話だが、まあ慣れた。今の会社で働きはじめて、もう6年にもなる。

 少ない少ないってどのくらいなのか、具体的な数字は以下のとおり。

手取り14~15万円

 (「転職しろや」という声が聞こえてきそうだが、まあ、いろいろあるのだ。)インセンティブがフルで入ると1万アップの15万円になる。なかなか条件が厳しいので、基本はやはり14万円。貧乏である。時給にしてなんと890円。ボーナスはない。貧乏である。また賢いみなさんは、え?890円ならもっと少ない月手取になるんじゃないの?とお気づきのことかもしれない。そう、おかしいのである。

年間休日87日

 (「転職しろ」という声が以下略。)月6日か7日しか休めない計算である。有給も5日しか使わせてもらえず、なんならそのたった5日のうち何日かを会社が指定してくることさえある。接客業なので年末年始などの繁忙期は基本、休めない。おまえらをできるだけ長時間働かせたいという強い意志(だけ)が社長から伝わってくる会社である。そう、おかしいのである。おかしいんだよなあ。

お金と時間は動いている

 そんなわけだから現状、少ない給料と少ない時間の中からどうにかして貯蓄と自由時間を捻出するしかないのである。どうにかする技術、つまり節約を極めざるを得ない。具体的には、固定費を見直し、自炊をし、全体の支出バランスを見て、生活費を月9~10万に抑えている。日々の行動を分単位で洗い出し、短縮可能なルーチンや無駄な時間がないかを確認する、といったことを継続して行っている。自分の生活というものの流れを可能な限り可視化するのだ。

 節約や貯金についての話で「まず家計簿をつけましょう」と言われることは多いと思うが、それはつまり「自分のお金がいつ、どのようにして出たり入ったりしているのか、動きを把握できるようになりましょう」ということだろう。お金も時間も日々動くものである。すべてを思うようには操作できないとしても、できるだけコントロールしながら生活すること、それが「節約生活」なのではないかと思っている。

たのしい節約生活のすすめ

 言葉遊びと思われるかもしれないが、節約はお金を使わないためにするのではなく、お金をいつどのように使えばいいのかを知るためにするものだというのが、私の実感である。節約生活イコール「毎日、我慢をしなくてはいけない生活」と思わないためのメンタルセットは、毎日、家計簿をつけたり自炊をこなしたりすること以上に重要で、はじめに意識しておかないと長続きしないと思う。暮らしぶりに反映させるための節約であれば、継続させなければあまり意味がないだろう。我慢をし続けるのは、言うまでもなく苦しいし難しい。日々の節約は我慢の積み重ねなどではなく、自分の暮らしを知るための細やかな努力なのだ。これからも肩肘張らずに続けていきたいと思っている。

 こちらは6年使い続けている家計簿アプリ、Zaim先生である。「あなたらしくお金を整える」、流石、いいこと言うなあ。おすすめ。